業務のCDO化が行われるようになり、保証を買えるように
金融の証券化が進んでいる昨今、業務にも変化が出てきたようです
一方、証券化の技術が進むにつれて、モノラインの業務にも変化が表れます。いわば「業務のCDO化」で、取引相手との交渉によって、CDOを購入する際と同じリスクを、保証という形で買うビジネスを手がけるようになったのです。CDOは第2章で見たとおり、企業向け与信やRMBSを裏付けとした証券化です。モノラインがCDOそのものに対する保証業務を行っていたのはもちろんです。ところが、CDOのビジネスが拡大するにつれて、「ポートフォリオのリスク」を保証してくれという要求がモノラインに舞い込むようになります。
ポートフォリオのリスクというのは、要するに、投資家が保有している多数の社債やABSなどから生じ得る倒産リスクのことです。そのリスクをまったく限定せず、全額保証したら大変ですが、モノラインにくる依頼は「格付けを取ったらトリプルBやシングルA」もしくはそれ以上になるような、トランシェ分けされたリスクに対するものでした。たとえば、欧米の上場企業向け融資100社からなるポートフォリオがあったとします。
ここから「20社が倒産しない限り安全」という証券を発行して、それを保証するというのはモノラインの通常のビジネスでしたが、「20社が倒産しない限り安全というリスクを保証の形で取(負)ってくれ」という依頼がくるようになったのです。考えればわかるように、これは、証券投資、あるいは、発行される証券に保証を付すのと同じリスクです。ですから、モノラインにとっては分析しやすいというか、本業の延長でしかありません。こうして、この業務は急拡大していきました。ちなみに、リスクの外し手は誰だったかというと、自己資本規制上、このような保証を受けると有利になる金融機関、特に銀行がありました。
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これは、期間の長い定期預金のほうが一般的に利率が高いこと、あるいは、満期までの期間が長い国債ほど利回りが高いことと同じ理屈です。SIVはこれを利用した仕組みであって、5年や10年など期問の長い証券を購入する一方、三か月や六か月などの短い期間の債券を発行することで資金を調達します。
ただ、そうすると、「保有する資産が5年後や10年後でないと返済されないのに、三か月や六か月後にどうやって社債を償還(11借金を返済)するのか」という疑問が出てくるはずです。借金を返済する原資がなければ、保有している資産の格付けが高くてもあまり意味がありませんし、借金が返せないような会社の発行する社債は、誰も買いません。ところが、SIVの発行する債券にも非常に高い格付けが付されていました。
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